脂質は生きていくために必要な栄養素
ダイエットや 健康を考えると、「脂質はなるべく控えた方が良い」というイメージを持っているのではないでしょうか?
もちろん、脂質の摂りすぎは決して良いことではありません。
しかし、脂質は糖質やタンパク質と並ぶ 三大栄養素の1つで、生きていくために必ず取らなければならないものです。
脂質はは私たちの体を動かすエネルギーになるほか、私たちの体内に約37兆個もある細胞の膜を作っています。
この脂質を理解せずに断ってしまうと、体がうまく機能しなくなり様々な悪影響が出てきてしまいます。
ダイエットや健康が目的でも脂質はしっかり取らなくてはいけないのです。
とは言え何でもいいから脂質をとればいいのかと言うわけではありません。
実は脂質にはいろんな種類があり、それをバランスよく摂る必要があるのです。
例えばサラダ油ばかり取ったり、肉の脂身を食べすぎたりするなど、ある種の脂質ばかりに偏ると肥満などにつながります。
脂質の量だけ足りていれば良しではなくその内容が重要ということです。
脂質にはどんな種類があるのかそれがどんな役割を果たしているのか1つずつ解説していきます。
脂質の知識をしっかりと身に付けてダイエットはもとより健康に生きていくために是非活用してください。
油と脂ってどう違うの?
常温で液体のものを「油」、常温で固体の「脂」と呼びます。
脂質には大きく分けて油と脂の2種類があります。どちらも「あぶら」なのですが、その特徴や原料は異なります。
「油」は常温で液体のもので、サラダ油ごま油など、いわゆる植物性油脂と呼ばれるもののほとんどが該当します。
一方「脂」は常温の時は固体のものです。
牛脂、豚脂と言う名前から分かるように動物が棚に蓄えているものが基本的に該当します。
牛乳の乳脂肪から作られるバターも脂です。
ただ油は「植物性油脂」「動物性油脂」と必ずきれいに分かれれるわけではありません。
魚油は動物性油脂ですが「油」に属します。ココナッツを原料とするココナッツオイルは植物性油脂ですか常温で固体になるので「脂」です。
このように、「あぶら」といっても特徴の異なる「油」と「脂」の2種類があるのです。
栄養素としては同じ脂質ですが、体に与える影響が大幅に異なるので、まずはこの油と脂の分け方を覚えるのが大事です。
そもそも脂質は摂ると太る?
脂質は摂ると太ると言うイメージがあるかと思いますが、それは本当なのでしょうか?
確かに脂質のカロリーが高いのは事実です。
三大栄養素のうち糖質やタンパク質が1gあたり約4Kcalなのに対し、脂質は1gあたり9Kcalもあります。
同じ量を摂取しても脂質は糖質やタンパク質の倍以上のKcalをとってしまうことになります。
脂質を取りすぎてエネルギーとして消費できなかった分だけが脂肪として蓄えられます。
ここで注意したいのは脂質の中でも太りやすい脂質と太りにくい脂質があるということです。
簡単に言ってしまえば常温で固体の「脂」は太りやすく、常温で液体の「油」は太りにくいと言うことです。
「脂」は体内でも固まって蓄積しやすいのですが、油は体内でもサラサラでエネルギーとして消費されやすい性質があります。
つまり同じ量の脂質をとっても脂を摂るか油を取るかによって太りやすさは変わってくるのです。
例えば肉の脂身をたくさん食べれば脂質の量が控えめでも太りやすいですし、その分をEPAやDHAの豊富な魚油に変えれば太りにくい体になります。
魚油を豊富に含む魚介類とダイエットの相性について知りたい方はコチラもぜひ!
過去コラム『魚介類とダイエットの相性は抜群!!』
体脂肪がつくメカニズム
脂質の取りすぎや脂質の選び方次第では体脂肪が増えて太ってしまいます。
しかし、太る原因は実はそれだけではないのです。人が太るメカニズムを解説いたします。
私たちが食事によって摂る栄養素で体を動かすエネルギーとなるのが糖質と脂質です。
糖質は体内でブドウ糖に分解され脂質は脂肪酸に分解され、それぞれエネルギーとして消費されます。
そして使いきれなかったブドウ糖や脂肪酸は肝臓や脂肪細胞に蓄積され、これが体脂肪となります。
つまり糖質の摂りすぎも脂質の取りすぎもどちらも肥満につながるのです。
とは言え体脂肪は生きていく上である程度は必要です。
体脂肪は緊急時のエネルギーとなるだけでなく、身体を外気温や衝撃等から保護する役目を持っています。
ダイエットや健康を意識している人にも脂質が必要な理由
脂質の選び方によって太りやすさに違いがあることをご紹介しましたが、とはいえ太りにくいと言うだけで決して痩せるわけではありません。
脂質が不足すると細胞膜の機能が低下し肌荒れや髪のぱさつきなどを引き起こします。
この細胞膜は細胞に栄養を取り込んだり、細胞から老廃物を排出したりといった役割を果たしています。
私たちの脳はその有形成分の約65%が脂質です。脂質が足りないと脳の働きも鈍ってしまうのです。
1日に必要な脂質の量は決まっている?
脂質は適正な量を取ることが大事です。
どれくらい脂質を摂れば良いかと言うと、これは厚生労働省がその基準を定めています。
まず年齢や性別によって1日に必要なKcalの目安があり、そのうち脂質から摂るKcalは全体の20〜30%が適正とされています。
例えば ダイエット中の女性であれば、1日1100〜1400目安で、そのうち220〜280Kcalは脂質から摂流ことになります。
脂質は1gにつき9Kcalですから、1日に約24g〜31gが摂取の目安となります。
ただ身体活動量や体重等によっても必要なKcal数は変わってきますので、あくまで目安として見てください。
脂質はサラダ油や肉の脂など一目で脂質とわかるものばかりではなく、いろいろな食品に隠れて入っています。
下記に例を挙げております。g数を見ると意外にたくさんの脂質が含まれていることがわかります。
知らないうちに脂質オーバーしている場合がありますので意識して脂質を抑えるくらいが丁度良いです。
【身近な食品に含まれる100グラムあたりの脂質量】
•ベーコン39g
•ウインナー31g
•豚バラ肉53g
•カップラーメン19g
•クロワッサン26g
•ポテトチップス33g
まとめ
脂質はダイエットにも健康にも欠かせない大事な栄養素です。
知らず知らずのうちにたくさん摂取してしまったり、意識している間に摂取量が少なくなりすぎてしまう栄養素ですので、自分がどれだけ脂質を摂取しているかを把握することがとても大事です。
日ごろから商品の栄養成分表を確認することを心がけましょう。
また油と脂を理解し摂取する脂質にも気を使えるようになるとダイエットにおいても健康においても必ずプラスの効果を発揮します。
理想のお体、健康、美しい髪や肌を維持し、さらなる高みを目指して「あぶら」と上手に付き合っていきましょう。